アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社

AWS Outposts ラックでの可用性を高めるHAクラスター構成

AWS Outposts ラックの概要

AWS Outposts ラックはAWSのフルマネージドソリューションの一つで、オンプレミスやエッジロケーションにAWSサービスを提供することで、ハイブリッドクラウド環境を実現します。AWSのネイティブサービスをオンプレミスで運用できるため、ローカルのデータ処理や低レイテンシー要求に対応可能です。また、既存のAWSサービス、ツール、APIをそのまま使用でき、アプリケーションの移行もスムーズに行うことができます。

AWS Outposts ラックの特徴と利用シーン

低レイテンシーを実現

金融系など超低レイテンシーが求められるシステムでの利用

ローカルのデータ処理

データ処理をローカルで行う必要があるようなシステムでの利用

設置場所要件をクリア

設置場所が明確になり、データの保管場所(住所)を特定することができます。
セキュリティー要件が厳しくパブリッククラウドではなくデータの所在が明確にしておく必要があるようなシステムでの利用

ハードウェアの監視、運用はAWSのフルマネージドソリューション

IaaSのようにハードウェアの監視、運用はAWSに任せることが可能です。

AWS Outposts ラックを利用する際に考慮すべき可用性のポイント

前述のように、AWS Outposts ラックを利用するシステムはセキュリティー要件が厳しかったり高可用性が求められる場合が多くなっています。

サイオステクノロジーが提供するLifeKeeperはリージョンのAmazon EC2環境で長年の導入実績があり、AWS Outposts ラックもサポートしています。

LifeKeeperはAWS Outposts ラックの下記の構成をサポートしています。

クライアントの場所 切替の制御 Outposts ラックの通信モード LifeKeeper for Linuxで
対応済みの構成
LifeKeeper for Windowsで
対応済みの構成

Outpostsの中

仮想IP方式 - ・セカンダリIPの付け替え方式
・ルートテーブルシナリオ方式
・セカンダリIPの付け替え方式
Route53 ARK - ・Route53のAレコード切替方式 -

Outpostsの外
(オンプレミス環境)

仮想IP方式 ダイレクトVPCルーティング ・セカンダリIPの付け替え方式 ・セカンダリIPの付け替え方式
Route53 ARK CoIP ・Route53のAレコード切替方式 -

※2024年9月現在

■セカンダリIPの付け替え方式について

  • 仮想IPと同じセカンダリIPを用意し、クラスターが切り替わる際に切り替わる先の仮想マシンにセカンダリIPをLifeKeeperから付け替える制御方式です。
  • クライアント(クラスターノードに対して通信するマシンを指します)の通信を仮想IPに向けることで、Active側のクラスターノードと通信できます。
  • クライアントの場所は、「Outpostsの中」と「Outpostsの外(=オンプレミス環境)」と「リージョンのAWSの中」がサポートされます。
  • ダイレクトVPCルーティングモードが前提です。
  • シングルAZ構成が前提です。
  • OSはLinux版とWindows版の双方に対応しています。
  • Generic ARK for Secondary IP address on AWSが必要です。
  • 当方式については、こちらのブログもご参照下さい。
    →AWS Outposts ラックをLifeKeeperで冗長化する制御方式に「セカンダリIPアドレスの付け替え方式」が追加されました

Outpostsラック_セカンダリIP付け替え方式.png

■ルートテーブルシナリオ方式について

  • クラスターが切り替わる際に、ルートテーブルに登録された仮想IPのターゲット(ENI)をActiveからStandbyに書き換える制御方式です。OutpostsのVPCのCIDR外の仮想IPを用意し、その仮想IPとターゲットとなるENIをルートテーブルへ登録が必要です。
  • クライアントの通信を仮想IPに向けることで、Active側のクラスターノードと通信できます。
  • クライアントの場所は、「Outpostsの中」のみがサポートされます。
  • ダイレクトVPCルーティングモードが前提です。
  • シングルAZ構成が前提です。
  • OSはLinux版のみが対応しています。

Outpostsラック_ルートテーブルシナリオ方式.png

■Route53のAレコード切り替え方式について

  • クラスターが切り替わる際に、Route53のAレコードをLifeKeeperから切り替える制御方式です。
  • クライアントからホスト名の名前解決をRoute53で行うことで、Active側のクラスターノードと通信できます。
  • クライアントの場所は、「Outpostsの中」と「Outpostsの外(=オンプレミス環境)」がサポートされます。
  • CoIP(Customer-owned IP)モードが前提です。
  • シングルAZ構成が前提です。
  • OSはLinux版のみが対応しています。

Outpostsラック_Route53Aレコード切替方式.png

AWS Outposts ラックで LifeKeeper を利用するメリット

AWS Outposts ラックでHAクラスターによる冗長構成は、EC2での構成とほぼ同じ構成となります。
LifeKeeperはAmazon EC2上で可用性を高める手段として、これまで多くのお客様にご採用いただいています。
このようにAmazon EC2で豊富な実績のあるLifeKeeperがAWS Outposts についてもサポートしていますので、安心してご利用いただけます。

『LifeKeeper』が提供する3つの価値

1. AWSでの実績

グローバルで25年、8万ライセンス以上の導入実績。
AWSでの導入実績も400件超です。

2. AWSとの連携

LifeKeeperは、AWS FTR(Foundational Technical Review)認定製品です。更に「AWS Outposts サービスレディパートナー」に、国内で初めて認定されたHAクラスター製品です。

3. さまざまなアプリケーションの保護

Oracle、JP1、SAP、HULFT、DataSpider などミッションクリティカルなシステムで利用されるアプリケーションの保護実績も豊富です。

AWS Outposts ラックでの可用性を高めるHAクラスター構成

当社はアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社とのパートナーシップの一環で下記のプログラムを取得しています。

AWS パートナーとして下記を取得

  • AWS Outposts Ready
  • Public Sector
  • FTR(AWS Foundational Technical Review)

AWS APNブログに、AWS Outposts ラックとLifeKeeperとの連携記事が掲載されています。ぜひご覧ください。

→SIOS LifeKeeper を活用した AWS Outposts ラック上のアプリケーションの高可用性構成

2024年7月26日には、AWS様とOutpostsをテーマとしたセミナーを開催しました。Outpostsの特長からLifeKeeperによる障害対策が簡潔に説明されています。内容についてはセミナーレポートのブログ記事をぜひご覧ください。

→「ハイブリッドクラウドサービス『AWS Outposts』で実現する次世代のITインフラの活用例と最適解」【セミナーレポート】

Amazon EC2およびAWS Outposts ラックで想定される様々なシナリオにおけるHAクラスターの構成例を紹介した資料はこちらからダウンロードいただけます。

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AWS Outposts ラック環境でのLifeKeeperの技術情報

下記資料をご参照下さい。

AWS Outposts ラック環境でのLifeKeeperの構築手順は、Amazon EC2環境でのLifeKeeperの構築手順をベースとしています。Amazon EC2環境でのLifeKeeperの構築手順はこちらからダウンロード頂けます