SCSK株式会社様 導入事例
コンタクトレンズのメーカー・代理店・販売施設を結ぶWeb発注システムの可用性を向上
24時間365日のサービス提供において99.99%以上の稼働率を実現
一般社団法人日本コンタクトレンズ協会(以下、日本コンタクトレンズ協会)は、販売店からメーカー及び代理店へ24時間365日いつでもどこからでも簡単に発注ができるインターネット注文システム「Web-CLIOS」をリニューアル。同システムを管理するSCSK株式会社(以下、SCSK)は、クラウド上での高稼働率を確保すべく、稼働率99.99%以上の実績を持つSCSKのインフラクラウドサービス「USiZEシェアードモデル」に「LifeKeeper」ならびに「DataKeeper」を組み合わせたHA構成による運用基盤を構築。ハードウェアや仮想マシンのみならずアプリケーション上の異常も検知し、万が一のトラブル発生時も迅速にサービスを復旧・継続する体制を整えた。
24時間365日サービスを提供するコンタクトレンズの発注システムをクラウドへ
コンタクトレンズの普及と業界の発展を支える日本コンタクトレンズ協会が運営しているのが「CLIOS(Contact Lens Information & Order System)」と呼ばれるネットワークシステムである。いつでもどこからでもWebブラウザから簡単に発注ができる注文システムを「Web-CLIOS」として提供している。
より簡便に使えるシステムへの発展を目指し、日本コンタクトレンズ協会は2013年に「Web-CLIOS」のリニューアルを実施。同協会より委託を受け、このCLIOSの構築・運用を担っているのがSCSKだ。同社のクラウドサービス部 第一サービス課 シニアエンジニアの石原 智氏は、次のように話す。
「安定したサービスを必要な分だけ従量課金型で利用したいというのが日本コンタクトレンズ協会様の一貫した要件です。この思いに応えるためにリニューアルに際して、それまでホスティング型で運用していたシステム基盤をクラウドに移行しました」
障害時にビジネスへの影響を最小限にするためアプリケーションまで監視するHA機能が不可欠
「Web-CLIOS」の新しい運用基盤として用いられることになったUSiZEシェアードモデルは、単にコンピューティングリソースを提供するだけではなく、40年間で培ったシステム運用ノウハウとITサービスマネジメントにおけるベストプラクティスであるITILを融合させた運用マネジメント体制のもとで、高品質なサービスを実現しているのが特長だ。ただ、これでも万全とは言えない。「日本コンタクトレンズ協会様が求められるサービスレベルを実現するには、アプリケーションのレイヤーの可用性を高める仕組みが必要でした」と石原氏は語る。
USiZEシェアードモデルにもHA(高可用性)機能は備わっており、例えばホストサーバーに故障が発生した場合、その上で稼働している仮想マシンを別の健全なホストサーバーに丸ごと移動させることで容易にフェイルオーバーさせることができる。しかし、ネイティブの仮想化基盤で監視できるのはあくまでもゲストOSの死活状態までであり、アプリケーションの障害までは検知できない。
SCSK クラウドサービス部 基盤サービス課 シニアエンジニアの阿部 哲雄氏は、「ホストサーバーやゲストOSは正常に動作しているように見えても、その上で動作するアプリケーションが何らかの原因によってフリーズしたり、ダウンしたりしてしまうケースが多々あります。したがって「Web-CLIOS」のようなミッションクリティカルなサービスの場合、アプリケーションまで監視できるHA機能が不可欠なのです」と語る。
「LifeKeeper」と「DataKeeper」の連携で短時間のフェイルオーバーを実現
この課題を解決すべくSCSKが注目したのがクラウド対応のHAクラスターソフトウェアであり、いくつかのベンダーの製品を比較検討した結果、サイオスの「LifeKeeper」の採用を決定した。SCSK クラウドサービス部 基盤サービス課長の永島 誠氏は、その理由を次のように語る。
「HAクラスターソフトウェアは導入の容易性もさることながら、長期にわたっていかに信頼性の高い運用を維持できるかがより重要です。SCSK自身もサイオスのSI&サポートパートナーとして「LifeKeeper」を取り扱っており、社内の身近なところにサポート体制が整っていることが決め手となりました」
そのSI&サポートパートナー施策の窓口として活動しているSCSK 金融基盤インテグレーション部 システム基盤技術第一課 マネージャの池田 雄介氏が、今回の製品選定にあたってイチオシしたのは「LifeKeeper」の操作環境である。「Web-CLIOS」をはじめとするクラウド上のさまざまなサービスの運用管理は十数名の技術者が担っているが、いざという事態が起こったとき、誰が担当していたとしても戸惑うことなく迅速に対処できなければならない。
「その意味からも直感的に操作できる「LifeKeeper」の運用管理GUIは他社製品に対する大きな優位性となっており、実際に運用部門へのスムーズな引き渡しができました」と池田氏は語る。
さらに、阿部氏は、「LifeKeeper」と共に「SIOS Protection Suite」を構成している「Data Keeper」の活用に言及。「『DataKeeper』を本番系ノードと待機系ノードの間の共有ストレージとして見立てることで高速なデータミラーリングを行い、万が一本番系ノードに異常が起こった場合でも、より短時間でフェイルオーバーできる仕組みを構築することができました。これもまた他製品では得られない『LifeKeeper』ならではのメリットです」と語る。
「Protection Suite」がもたらす高可用性はSIビジネスやクラウドサービスの「武器」になる
「Web-CLIOS」がリニューアルしてからすでに2年以上の歳月が経過したが、システム基盤は重大なトラブルを一度も起こすことなく安定した運用を続けており、「稼働率99.99%以上の実績を残しています」と石原氏は語る。
SCSKでは他サービスや案件においても積極的に「Protection Suite」を活用していくという。池田氏は、「ミッションクリティカルな業務のクラウド移行がますます加速していくと予測される中、『LifeKeeper』および『DataKeeper』による高度な可用性は、SCSKのコンサルティング/SIビジネスやクラウドサービスにとって強力な武器になると考えています」と今後の展開を見据えている。
SCSK株式会社様
業種 | 情報通信業 |
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導入環境 | クラウド |
導入システム | Web発注システム |