長野県厚生農業協同組合連合会(JA長野厚生連)様 導入事例

Azure上の基幹系システム(SAP)を冗長化、運用管理コスト削減とBCP対策強化を実現

長野県厚生農業共同組合連合会(JA長野厚生連)は1950年の発足以来、長野県の公的医療機関として、地域医療や救急医療などに大きく貢献。現在は、病院・分院・診療所、老人保健施設・宅老所・グループホーム、訪問看護ステーション、地域医療包括支援センター、在宅介護支援センターなど数多くの施設を運営し、医療や介護サービスを一体的に提供する地域包括医療にも力を入れてる。

そうした中、基幹業務システムのクラウド化にいち早く着手。マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」と、サイオスの高可用性ソリューションにより、運用管理の負荷やコストを大幅に削減しながら、同時にBCP対策を強化することに成功している。

SAPをAzure上に移行し運用面の課題解決に着手

医療施設のIT化は、電子カルテや医事会計などの診療系と、財務会計や人事給与などの基幹系の2つに大別できる。このうち、基幹系は10年以上前からSAP社のERPシステムを導入し、長野県JAグループのデータセンターに設置。以来、ソフトウェアのアップグレードなどを行いながら運用を続けてきた。これまでは日々の運用管理を行うために、システム管理者がデータセンターに常駐しなければならず、その運用管理の負荷やコストを軽減することが課題の一つだった。

また、事業規模の拡大に伴うサーバーの増設などに柔軟に対応できる環境を整えることや、万が一地震などの大規模な災害が発生しても、業務を継続的に行えるようにBCP対策を強化することも重要な懸念事項だった。そこで、基幹系システムの運用上の課題を解決するために、クラウドサービスへの移行を決断。

その際、クラウドサービスとして採用したのが、マイクロソフトのAzureだった。これらSAPの導入からAzureへの移行まで、すべてをSIベンダーとして富士通株式会社が行った。

その選定理由について、業務部業務課 課長代理の久保 友宏氏は次のように語る。「Azureは、マイクロソフトが提供しているクラウドサービスなので信頼性が高く、東日本と西日本の2ヵ所にデータセンターがあるので、BCP対策が実施しやすい利点がありました」

業務部 業務課 課長代理
久保 友宏氏

サーバーの冗長化を図るため「DataKeeperとWSFCの連携」を選択

JA長野厚生連は、SAP社のERPシステムのうち、財務会計、人材管理、管理会計、在庫購買管理など5つのモジュールをAzure上に移行し、東日本リージョン内にプライマリーシステムを構築。西日本リージョン内でデータのバックアップを取る環境を整えた。Azureは非常にハイレベルなサービスであるが、障害が発生した際のBCP対策は必要であった。そこで、クラスタリング構成で冗長化を図り、仮にAzureに何か障害が発生しても、セカンダリーシステムで業務が継続的に行えるように工夫を施している。Azure上においてもBCP対策を実現するために採用されたのが、サイオステクノロジーのDataKeeperと Windows Server標準のHAクラスター機能であるWindows Server Failover Clustering(WSFC)との連携だった。

「Azureのシステム構成の協議を行う中で、マイクロソフトから推奨されたのがDataKeeperとWSFCの連携でした。WSFCを利用し、アプリケーションをフェールオーバーし、データレプリケーションをDataKeeperで実現しました。DataKeeperは、データレプリケーションの分野で実績も豊富なので、安心して導入することができました」と久保氏は語る。Azureへのデータ移行はスムーズに運び、各事業所からAzureへアクセスして利用できるかどうか事前に動作確認をしたうえで、2015年11月に本稼働の運びとなった。導入当初は、障害検知時間を短く設定していたために、ネットワークが数秒途切れただけで、クラスタリング構成をしている2台のサーバーが頻繁に切り替わることがあったが、障害検知時間を調整したことで問題をクリア。それ以降は安定稼働を続けている。

運用管理コストを3割軽減し、常に最適な環境で業務を遂行

今回、SAP社のERPシステムをAzureでの運用に切り替えたことで、以前よりも運用管理コストを3割近く削減できたという。Azureは従量課金のクラウドサービスなので、自前でサーバーを購入して運用管理を行う必要がないからだ。

その点について、業務部業務課の百瀬 賢氏は次のように語る。「以前、JA長野厚生連の病院でシステム管理を行っていたときは、日々問題点はないか点検作業をしていました。しかし現在は、業務上の負担はまったくないので運用管理が非常に楽になりました」

業務部 業務課
百瀬 賢氏

また、Azure上で2台のサーバー間で負荷分散が行える仕組みを構築したことで、実際に業務を行っているエンドユーザーにもメリットをもたらしている。「エンドユーザーがAzureにログインしたときに、Azure上で自動的に負荷の少ないサーバーに誘導してくれるので、常に最適な環境で日々の業務が行えます」と久保氏は語る。WSFCと連携したDataKeeperによってリアルタイムにデータのレプリケーションを実施することで可用性を高め、そのうえで遠隔地の西日本リージョン内でバックアップを取る仕組みを構築したことで、BCP対策が強化されたことも大きな成果である。

今後は、メールサーバーやADサーバーなども徐々にAzureに載せ換えてBCP対策をより一層強化していく予定だ。将来的には電子カルテのクラウド化も視野に入れている。いずれも24時間365日止まることが許されないミッションクリティカルなシステムなので、クラウド化する際には、やはりDataKeeperとWSFCを組み合わせた導入が必要不可欠だという。

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東日本リージョンでは、WSFC環境においてDataKeeperによるデータレプリケーションをリアルタイムで実施し、Azureの可用性をさらに高めている。さらに、西日本リージョンでバックアップを取得している。

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長野県厚生農業協同組合連合会(JA長野厚生連)様

業種 医療・福祉
導入環境 クラウド(Azure)
導入システム 基幹業務システム
所在地
長野県長野市大字南長野北石堂町1177番地3
設立日
1950年8月
従業員数
約8,4000人
ホームページ
https://www.nagano-kouseiren.jp/