株式会社モンテール様 導入事例

属人管理から脱却、1日70-80万食を出荷する洋生菓子工場の生産管理システムを止めない仕組み

1日70-80万食に上る洋生菓子生産をDX化

シュークリームやロールケーキでおなじみの洋生菓子メーカー「モンテール」。
2024年の70周年を迎え、長きにわたる経験を活かしながら、フレッシュなお菓子作りを追求している。現在の本社は埼玉県八潮市にあり、茨城県坂東市、岐阜県美濃加茂市、岡山県総社市の3カ所に生産拠点を持つ。生乳や卵などの産地に近い工場で、より安心、安全な食品づくりを行なっている。

モンテールでは、1日に70から80万食という膨大な製品を生産している。一方、システム化は様々な分野で積極的に進めていたが、原料の発注・受け入れから生産工程を一気通貫で管理するシステムが無かった。

情報システム部 インフラサポート課 課長の小関健悟氏は、「これまでは紙とExcelで管理していました。現場担当者の習熟した技で生産管理をしていたのです。
一方で、原料の受発注から生産工程・
出荷が一気通貫でシステム化されていないため、万が一の際には、出荷に影響が出ることもありました。

株式会社モンテール
情報システム部 インフラサポート課
課長 小関健悟氏

また原材料の選択や投入、配合などが現場の従業員の知見に頼ることは、現場の負荷にもつながっていた。「生産管理システムを新規に採用することで、トレーサビリティを確保するとともに、現場の業務を属人化させない仕組みを整えることにしました」(小関氏)。

生産管理システムとしては、食品製造業に特化したカスタマイズを前提としたパッケージの生産管理システムを採用した。多くの納入実績があり、工場の「見える化」を実現するパッケージである。
一方でモンテールの業務にそのまま適用することはできない部分もあり、業務に合致するようなカスタマイズも必要になった。
原材料の受け入れから棚卸し、受注を受けた基幹システムの情報をもとに、当日必要な量を展開する仕組みを導入した。現在は現場の業務を支える基盤として運用しており、業務に応じた機能の拡充も検討している。その生産管理システムの可用性を支えているのが、サイオステクノロジーの「LifeKeeper」だ。

止まれば出荷も止まる――生産管理システムが担う責任

原材料の受け入れから、棚卸し、受注を受けた別のシステムから当日必要な量を展開する仕組みなど様々な仕組化は、現場の負担も軽減する良いことずくめのシステム導入に見えるが、システムに依存することの弊害も出てくる。

「Excelなどのアナログデータ的な運用を極力廃止する方針により、すべての情報が生産管理システムに集まり、システムがないと生産できない状況になります。モンテールでは、当日に発注を受けて当日中に出荷、取引先の物流センターにお届けする取引が多くあります。翌日には店頭に並ぶ商品です。生産管理システムが止まることになると、生産出荷に大きな影響が及ぶことになります」と小関氏は説明する。
365日の生産体制の中で、システムが止まっていいのは工場の生産が止まっている時間帯だけ。生産中はシステムが落ちることが許されない。生産管理システムがアクセスするデータベースサーバーの可用性を確保することが急務だった。

モンテールでは、基幹システムをVMware環境上に置き、データベースはMicrosoft SQL Serverを利用していた。生産管理システムの導入に当たっても、アプリケーションサーバーは使い慣れたVMware環境に導入することにした。

一方で、生産管理システムがアクセスするデータベースサーバーとしては、「スペックをきちんと引き出すためには、Oracle Databaseを利用する必要がありました」と小関氏は語る。そこで問題になったのが、Oracle Databaseの可用性の担保だった。

データベース自体が備える冗長化の仕組みについても検討には上がった。しかしOracle Databaseはこれまで使っていなかったこともあり、実装の時間、これから社内で全部覚えて習熟する必要があるため、運用などを考慮すると、実現が難しいと判断。小関氏は「生産管理システムの導入を依頼したJBCCの提案を採用し、サイオステクノロジーのLifeKeeperを導入しました」と振り返る。

採用した理由として、「導入実績も多く、必要な要件を満たすHA(High Availability:高可用性)環境を構築できることからLifeKeeperの導入を選択することにした」(小関氏)。

慎重に立ち上げた初導入

生産管理システムのインフラ構築はJBCCが担当した。情報システム部 インフラサポート課で運用管理をはじめとする実務を担当する中野龍聖氏は「物理サーバーの導入、LifeKeeperによるHAクラスター化と、初めてのことが重なりました。それだけに慎重に準備を進めました」と語る。

障害対応の方法などは協力するパートナーから情報を共有してもらい、本番稼働前に障害試験を実施していった。「サービスの停止状態からリソースの起動順序の指定など、GUIなどを使って試していきました。当初は操作を覚えきれず手順書を見て確認するなど、少し苦労もありました。
初歩的な質問であってもLifeKeeperをよく知っているJBCCが丁寧に対応してくれたため、大きな問題は起きずに稼働に至りました」(中野氏)。

株式会社モンテール
情報システム部 インフラサポート課
中野龍聖氏

「これまで大きな障害はありません」と中野氏は話す。生産管理システムを支えるLifeKeeperの組み合わせは順調に稼働している。完全に安定稼働でサーバーは止まったことがなく、障害試験以外でフェイルオーバーは1回もしていないという安定運用だ。

そうした中で唯一トラブルらしいトラブルがあったのは、サーバーを設置しているデータセンターのネットワークスイッチのリプレースに起因するものだった。小関氏は、「本来であればLifeKeeperも停止させてから、スイッチの交換に進めば良かったのです。しかし、LifeKeeperが稼働していることを忘れるほど安定していたため、LifeKeeperを停止させずにスイッチ交換作業に入ってしまいました。

結果として、本番系と待機系のハートビートが切れてしまい、同期がうまく取れなくなりました。想定していなかった事態だったので、JBCCに相談しながら復旧しました」と振り返る。深夜の切り替えで、工場では早朝から仕込みが始まる。そうした綱渡りの事態であっても、使い勝手のよいLifeKeeperとJBCCのサポートに助けられ、復旧はスムーズに進んで事なきを得た。

「LifeKeeperはGUIの画面がシンプルで操作しやすく、自分たちで通常状態に迅速に戻すことができました。この経験を通じて、可用性を確保する仕組みそのものだけでなく、周辺作業を含めた運用手順の整理と関係者への共有の重要性を改めて認識することができました」(小関氏)。

実際に運用に当たる中野氏も「元々インフラ管理や運用をやりたくてモンテールに入社しました。自分自身がLifeKeeperのようなサービスの活用をすることになり、当初は不安もありましたが、業務面で大きな負担になったりはしていません。とにかく安定して動いていることがありがたいです」と評価する。

「止めない仕組み」の全社への横展開も

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図1 モンテール様 生産管理システムの全体システム構成図

生産管理システムを支える基盤として、JBCCと連携して構築した環境において、LifeKeeperは安定稼働を支えている。今後もモンテールでは「365日生産、出荷を止めないための仕組みは欠かせないと考えています。生産管理はシステム化しましたが、まだシステム化されていない業務領域もあり、今後もシステムを止めない仕組みづくりは検討し続けなければなりません」(小関氏)。

現場の工場のDX化を進めていく中で、止められないシステムやサーバーについてはLifeKeeperの導入も継続して検討していく考えだ。「これまでは、サーバーの不調などが発生した際、ユーザーからの連絡を受けて対応にあたることがありました。しかしLifeKeeperがあれば、トラブル時にもユーザーに問い合わせを受けることなく、自動的に復旧している安心感は大きなものがあります」(小関氏)。

LifeKeeperで可用性を担保する生産管理システムのように、工場のDX化を推進する部分がある一方で、洋生菓子という「止められないビジネス」を支える裏側で、IT基盤もまた止まらないことが求められる。LifeKeeperは、その静かな前提条件を支える存在となっている。

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株式会社モンテール様

業種 製造業
導入環境 仮想環境
導入システム 基幹システム
所在地
埼玉県八潮市大瀬3-1-8
設立日
1954年10月
従業員数
1,042名(2026年4月現在)
ホームページ
https://www.monteur.co.jp/