LINBITクラスタスタック・サポートHAは、DRBD、Pacemaker、Corosyncを組み合わせた「Linux-HAクラスタ・スタック」をサポートするサービスです。2008年より株式会社サードウェアが日本国内でサービス提供を開始し、その後、サイオステクノロジーに継承された製品となります。
LINBITクラスタスタック・サポート HA(High Availability)とは
このサポートサービスを利用することで、LINBIT社の認定バイナリを利用でき、ソースコードレベルでの日本語サポートとホットフィックスの提供という高い「安心」「安全」を享受いただけます。
大手企業からスタートアップ企業まで、企業規模を問わず日本全国様々な「止められないシステム」を支えています。
基本構成
①Linux-HAクラスタスタックによるレプリケーション構成
(製品:「DRBD+Pacemakerサブスクリプション・セット」)
- 共有ストレージを使わず、DRBDでレプリケーションする構成により、単一障害点が無くなり、高い可用性を担保。
- LINBIT社認定バイナリのDRBD、Pacemaker、Corosyncを使用することにより、Linux-HAクラスタスタックをトータルにサポート可能。
- DRBDは、
- 2010年よりLinuxの各ディストリビューションに組み込まれ、大変安定した運用が可能。
- 最大1PBまでのデータ容量をサポート。さらに同時に687億組の複数のディスク領域をサポート。
- Pacemakerの制御機能により、稼働系に異常が発生した場合、自動的にDRBDをはじめとしたリソースを制御し、適宜待機系へ切替えサービスを継続。
DRBDの特徴1)超高速レプリケーション
DRBDの大きな特徴は、「ブロックデバイス」であることです。ファイルシステムよりも低いレイヤーで、かつ超高速でレプリケーションしている為、ファイル属性に影響されず、ほぼ全てのアプリケーションやファイルがDRBDによってリアルタイムにレプリケーションされます。
また、データを保存するアプリケーション自身がミラーリングに対応する必要もない為、近年では動画ファイルなどのアーカイブにも使用されるケースが多いです。
DRBDの特徴2)多ノード構成
最新バージョンのDRBD9の場合、従来の1:1(アクティブ:スタンバイ)構成の他、1:nの多ノード構成も可能となり、4ノード以上になるとさらに冗長性、高可用性、利便性が高まります。
②共有ストレージを使用したシェアード構成
(製品:「Pacemakerサブスクリプション」)
- LINBIT社認定バイナリのPacemaker、Corosyncを使用することにより、HAクラスタをトータルにサポート可能。
- おもにDBMSやアプリケーション等の機能を使用して、Pacemakerで自動フェールオーバーさせる構成に効果あり。
リソースエージェント対応表
下表はLINBITクラスタスタック・サポートでサポートするリソースエージェント(resource-agentsパッケージ)の主要なリソースエージェントの一覧表です。
ストレージ | drbd | DRBDの制御 |
LVM | LVMボリュームグループの制御 | |
ManageRAID | RAIDデバイスを管理 | |
Raid1 | 共通ストレージ上のソフトウェアRAID1の制御 | |
clvm | clvmデーモンを管理 | |
iSCSILogicalUnit | iSCSIのLUNの制御 | |
iSCSITarget | iSCSIターゲットの制御 | |
iscsi | open-iscsiの制御 | |
ファイルシステム | Filesystem | ファイルシステムのマウント |
symlink | シンボリックリンクの制御 | |
ネットワーク | AoEtarget | ATA over Ethernetのターゲットを管理 |
IPaddr2 | 仮想IPアドレスを管理 | |
IPsrcaddr | 送信パケットのソースIPアドレスを管理 | |
IPv6addr | IPv6ベースの仮想IPアドレスを管理 | |
Route | ルーティングの制御 | |
SendArp | Gratuitous Arpを送信 | |
VIPArip | RIP2プロトコルを使った仮想IPアドレスの管理 | |
dnsupdate | ダイナミックDNSのエントリを更新 | |
ethmonitor | ネットワークインターフェースの制御 | |
iface-bridge | ネットワークブリッジとスパニングツリーを管理 | |
iface-vlan | VLANを管理 | |
nfsnotify | NFSv3のreboot通知を送ってクライアントのロックを解除 | |
portblock | iptablesによるポートのブロック/ブロック解除 | |
基本サーバ | Pure-FTPd | PureFTPdの制御 |
Squid | Squidのインスタンスの制御 | |
Xinetd | xinetdサービスの制御 | |
conntrackd | conntrackdの制御 | |
dhcpd | DHCPデーモンの制御 | |
named | ネームサーバの制御 | |
pound | Poundを管理 | |
proftpd | FTPサーバ:ProFTPdの制御 | |
rsyncd | rsyncデーモンの制御 | |
varnish | リバースプロキシVarnishを制御 | |
vsftpd | FTPサーバ:vsFTPdの制御 | |
データベース | SAPDatabase | MaxDBなどの制御 |
db2 | DB2の制御 | |
galera | Galeraの制御 | |
ids | Informix Dynamic Serverのインスタンスを制御 | |
mysql | MySQLの制御 | |
mysql-proxy | MySQL Proxyの制御 | |
oracle | Oracleインスタンスの制御 | |
oralsnr | Oracle TNSリスナーの制御 | |
pgsql | PostgreSQLの制御 | |
Webサーバ | apache | Apache HTTPサーバの制御 |
nginx | nginxの制御 | |
アプリケーションサーバ | WAS | WebSphere Application Server (WAS)の制御 |
WAS6 | WebSphere Application Server 6 (WAS6)の制御 | |
jboss | JBossの制御 | |
tomcat | Tomcatの制御 | |
ファイル共有 | CTDB | クラスタ対応Sambaの制御 |
exportfs | NFSエクスポートの制御 | |
nfsserver | NFSサーバの制御 | |
仮想基盤 | ManageVE | OpenVZの仮想基盤の制御 |
VirtualDomain | libvirt APIを使った仮想マシンの制御 | |
Xen | Xenハイパーバイザーの制御 | |
docker | Dockerコンテナの制御 | |
lxc | LXCコンテナの制御 | |
vmware | VMwareサーバ2.0の仮想マシンを制御 | |
IP電話 | asterisk | IP電話アスタリスクプロセスの制御 |
kamailio | Kamailioの制御 | |
ディレクトリ | eDir88 | Novell eDirectoryの制御 |
slapd | LDAPサーバの制御 | |
デバイス制御 | LinuxSCSI | SCSIデバイスの利用可能性を管理 |
ServeRAID | ServeRAIDのマージグループを管理 | |
sfex | 共有ストレージの排他制御 | |
クラスタ管理 | AudibleAlarm | 警告音を鳴らす |
ClusterMon | crm_monをHTML形式で出力 | |
MailTo | フェールオーバ時にメールを送信 | |
WinPopup | フェールオーバ時にポップアップ | |
システム | SysInfo | Sysinfoの属性情報を出力 |
rsyslog | rsyslogのインスタンスの制御 | |
syslog-ng | syslog-ngのインスタンスの制御 | |
サンプル | Delay | 遅延を発生 |
Dummy | リソースエージェント開発用サンプル | |
Stateful | 2つのステートを持つリソース制御のサンプル | |
anything | 任意のバイナリを制御 | |
その他 | fio | IO負荷試験の実施 |
SAPInstance | SAPのインスタンスの制御 | |
SphinxSearchDaemon | Sphinx検索デーモンの制御 | |
postfix | Postfixの制御 | |
rabbitmq-cluster | RabbitMQインスタンスの制御 | |
zabbixserver | Zabbixサーバの制御 |
※当社でサポート実績が豊富である、又はWeb上で紹介記事が豊富と思われるものを太字で記載しています。あくまで当社の主観です。
LINBITクラスタスタック・サポートHA 評価版について
30日無償でご使用いただけるLINBITクラスタスタック・サポートの評価版ライセンスキーを提供しております。LINBIT認定バイナリを使用した検証をご希望の方は、下記よりご連絡ください。
※LINBIT認定バイナリは試用版有効期限、もしくはLINBITクラスタスタック・サポートご契約期間のみで使用可能です。期間満了後はご使用いただけませんので、アンインストール等の処置をお願いいたします。
※評価版→本番移行される場合は、同一のURLハッシュをご利用可能です。